
ディレイラーのトップとローの調整を行ったのに、変速がうまく決まらなくて悩んでいる方はいらっしゃいますか?この記事では、あまりみんなが気にしていない「ガイドプーリーとスプロケの間隔」について解説します。
どんな問題が起きるのか
まず、ガイドプーリーとスプロケットの間隔が適切でないと、どんな問題が発生するのかについてご説明します。
- STIレバーを操作したのに変速が行われない、もしくは変速が遅い。
- 変速時に、しばらくの間「ガチャガチャ」という音が鳴ってから変速される。
- 変速が1段ではなく2段飛びに行われる。
どちからというと、この間隔が狭いよりは、広すぎるためにトラブルが発生しているケースが多いように思います。
どうしてそんなことになるのか
購入時に装着されていたスプロケットを、より歯の枚数が少ないものに変更した時などは、この間隔が大きくなりすぎるかもしれません。その他は、自分でディレイラーを組んで調整が不十分であった場合や、購入時にちゃんと調整が行われていなかったケースなどが考えられます。
どうやって調整するのか
スプロケットと、ガイドプーリーの間を調整するには、「Bテンションボルト」と呼ばれるリアディレイラーのボルトを回します。

写真はシマノの105 R7000のディレイラーですが、アーレンキーの先端に位置するボルトが「Bテンションボルト」です。あらかじめワイヤーのテンション調整、トップとローの位置を調整した上で、このボルトをまわし、プーリーとスプロケットの間隔の調整を行います。
元々の位置

もともと、ガイドプーリーとスプロケットの位置関係はこのような状態でした。そんなに遠すぎないと思いますが、まずはここを基準に調整を行っていきます。
かなり近づけたポジション

基本的に、ガイドプーリーとスプロケットの間隔は狭いほうが変速がスパッと決まります。スプロケットとガイドプーリーの間のチェーンのコマ数が少なくなり、変速時のチェーンの横方向のテンションが強くかかるようになるためです。
しかし、あまり近づけすぎると、「チェーン詰まり」という現象が発生します。スプロケットとプーリーの間隔があまりに近いために抵抗が発生し、チェーンがスムースに流れなくなる現象です。これは、公式のドキュメントでも「クランクを逆回転させて抵抗がないかどうかを確認する」という方法が書かれていますが、微妙な抵抗の変化を感覚で判別するのはかなり難しいと言えるでしょう。
調整のコツ

ここからは公式のドキュメントに載っていない、あくまで私見ですが、あまりプーリーとスプロケの間を詰めすぎると、チェーン詰まりが発生するほどではないにしても、駆動系の抵抗になってしまう気がします。
したがって、調整する歳には
- 一旦狭い間隔に調整してみる
- 変速操作でスムースな変速を確認しながら、不具合がでるちょっと手前までスプロケとプーリーの間隔を広げる方向に調整する。
という調整の順番が良いのではと思いました。実際に先日、この方法で調整を行ったロードバイクでレースに出場しましたが、問題なく完走することができました。
まとめ
あまり普段、メンテナンスをする歳にも気にされていないであろう、プーリーとスプロケットの間隔について、メンテナンスをする歳には注意してみてください。ドライブトレインの抵抗軽減と変速動作の向上につながるかもしれません。
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