最近、カーボンディープリムホイールがほしくてたまりません。わたしはいつも、無風なら大体30〜33km/hぐらいの速度で荒川を走っているのですが、ある日「もしかしてディープリムホイールを履けば、もっと楽に巡航できるのではないか」と、突然に気になってきたんです。
しかしディープリムホイール、とくにカーボンともなれば安い買い物ではないので、まずはこれにはきかえた場合、どのぐらい速くなりそうなのか調べてみることにしました。海外のYouTubeを探してみると、少し昔の動画ですが、こんなのを見つけました。
これはCycling Weeklyの2017年の動画です。“How much faster are aero wheels? “ ということなので、ほしい答えを教えてくれそうですね。この中身を見ていきます。
比較されているホイール
1本目:マヴィック R-Sys SLR Limited

1つ目は2015年発売の、マビックR-Sys SLRという軽量アルミクリンチャーホイール。アルミリムながらカーボンスポークを採用し、ペアで1,295gという超軽量ホイールです。比較対象のローハイトリムのホイールとしては、最高峰のグレードと言えるでしょう。
リ ム:アルミ合金(IMS 4D、Exalith2)
スポーク:カーボントラコンプ
重 量:555g(フロント)、740g(リア)、1,295g(ペア)
付属品:マヴィック Yksion Pro PowerLink(700×23 重量:190g)
数 量:50セット
価 格:126,000円(税別、フロント)、154,000円(税別、リア)
2本目:ENVE エンヴィ SES 4.5

比較対象になっているのは、ENVE SES 4.5カーボンディープリムホイール。フロントが48mm、リアが56mmというハイト設定で、ENVEアルミハブとの組み合わせのセットだと、前後で1,520gというスペックです。2021年現在に販売中の標準的なカーボンディープリムホイールと比較すると、少し重めのスペックですね。
■リム重量:FRONT 477g / REAR 489g / SET 966g
http://gmt-cycle.com/?pid=147627098
■ENVEアルミハブホイール:FRONT 681g / REAR 867g / SET 1520g
■タイヤ:クリンチャー/チューブレスレディ
3本目: TT用のディスクホイール

3つめのホイールは、HED GT3 TrispokeとLightweight Autobahn Discという、タイムトライアル競技用のホイールの組み合わせです。これは見た目からして、きっと平地巡航には最強なんだろうとわかります。
どうやって性能を比較したのか
この動画においては、200ワットと300ワット、それぞれのパワーを維持して同一トラックを10分間走行した場合のタイム差を比較しています。体重にもよりますが、200ワットというと初級〜中級レベル、300ワットだと上級レベルを意識して設定したパワーのようです。アベレージのライダーの場合、200Wで比較した値がより参考になりそうです。
気になる結果は
200ワットのパワーで走行した場合
10分間の走行距離 | 平均速度 | |
マビック R-Sys SLR Limited | 5,120m | 30.7km/h |
ENVE SES 4.5 | 5,460m | 32.7km/h |
TT用のディスクホイール | 5,520m | 33.1km/h |
300ワットのパワーで走行した場合
10分間の走行距離 | 平均速度 | |
マビック R-Sys SLR Limited | 6,070m | 36.4km/h |
ENVE SES 4.5 | 6,442m | 38.6km/h |
TT用のディスクホイール | 6,600m | 39.6km/h |
このような結果になりました!
- ローハイトリムのR-Sys SLRと、ディープリムのENVEの間にはかなりの差がある
- 50mmハイト級のホイールと、TT用のディスクの間にはさほど差はない
R-sys SLRとENVEの時速の差が2kmは、ロードバイクにおいてはとてつもなく大きい差だと言えます。実際に一緒に走ったとしたら、先行はあっという間に見えなくなってしまうでしょう。
さらに、マビック R-Sys SLR Limitedというホイールは、ローハイトリムとはいえ相当なハイエンドのホイールなので、もしENVEと同等の重量のホイールと比較していたとしたら、さらにこの差は大きくなっていたことが予想されます。
結論
この動画で、ディープリムホイールの平地巡航における優位性というものが、何となくではなくて、数値ではっきりと理解できました。また、ローハイトリムから買い替えるだけの十分な価値があることが分かったので、ディープリムホイールを購入することを決意しました。
次回は、別の記事で、コストパフォーマンスの観点からディープリムホイールを選定してみることにします。
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